溜井日記

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(表紙)
 「文化十四歳
    武州多麻郡
 溜井    野津田郷
  日記
    丑八月日 幸本大連 河井清大夫」
文化十四丑年八月
  朔日
一於花厳院 惣村役人 水下惣百姓 寄合
一半し一
一西の内十

十三日
一於日尺井 四給願書江 印形取
十四日
一清右衛門清太夫両人出府
同日
一金壱分 清右衛門方より預ル
十五日
一御三給様江 願書上ル
十六日
一猶又由比様江上ル 清太夫
十五日
一三拾文  ミの十
一廿四文  半し一
一百文   朱ずミ
一廿四文  あいろう
一三拾弐文 筆弐本
一百文   茶わん四ツ
一百文   三瀧川 小半斤
十八日朝
一金壱分  源之丞へ渡ス
一六拾文  金右衛門無尽金 根付根苧
十九日
一金弐朱内渡 鍋や甚八方へ
  十四日より十八日夜迄五夜分
十七日
一山冨両御屋敷江上ル
十八日
一休日
十九日
一冨山両御屋布江上ル
同日
一由比様へ上ル  清太夫
同日
一両御屋布より帰村被
 仰付候
一十九日夜 三軒茶や泊リ
廿日
一帰村 十四日出、廿日帰リ
    出入七日
八月廿五日
一清右衛門清太夫両人 酒弐升
  溜井内見分     文四郎
同日
一絵図面下書認ル  清太夫
廿九日
一絵図拵  清太夫 内蔵助
卅日
一同断  右両人
   右両日絵図面認両日共
   日尺井ニ而諸賄
        名主清右衛門
    外ニ 入用 清太夫賄
一ミの 十  代三十文
一朱墨 一  代百文
一筆壱本   代廿四文
一あいろう壱 代廿四文
九月二日
一半し 一 水下帳紙代廿四文
九月二日
一水下帳下書認  清太夫
寅三月五日出十六日帰
 出入十二日
一壱分
一廿四文  半し 一
一廿四文  のり入水引
寅三月十七日
寺ニて
一寄合  惣村役人
     惣水下
 


 
【読み下し文】

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(表紙)
 「文化(ぶんか)十四(じゆうし)(のとし)
    武州(ぶしゆう)多麻郡(たまぐん)
 溜井(ためい)    野津田郷(のづたごう)
  日記(につき)
(うし)八月日(はちがつにち)    幸本(さちもと)大連(おおむらじ)
         河井(かわい)清大夫(せいだゆう)

文化(ぶんか)十四(じゆうよん)丑年(うしどし)八月(はちがつ)
  朔日(さくじつ)
              惣村役人(そうむらやくにん)
(ひとつ)花厳院(けごんいん)()いて()()
              水下(みなしも)惣百姓(そうびやくしよう)
(ひとつ)(はん)し  (いち)
(ひとつ)西(にし)(うち) (じゆう)
(ひとつ)
十三日(じゆうさんにち)
         四給(よんきゆう)(がん)(しよ)
(ひとつ)日尺井(ひしやくい)()いて
         印形(いんぎよう)()
十四日(じゆうよつか)
(ひとつ)清右衛門(せいえもん)清太夫(せいだゆう)両人(りようにん)出府(しゆつぷ)
同日(どうじつ)
(ひとつ)(きん)壱分(いちぶ) 清右衛門(せいえもん)(かた)より(あずか)
十五日(じゆうごにち)
(ひとつ)御三給(ごさんきゆう)(さま)(がん)(しよ)(あげ)
十六日(じゆうろくにち)
(ひとつ)猶又(なおまた)由比様(ゆいさま)(のぼ)る 清太夫(せいだゆう)
十五日(じゆうごにち)
(ひとつ)三拾文(さんじゆうもん)  みの (じゆう)
(ひとつ)廿四文(にじゆうよんもん)  (はん)し (いち)
(ひとつ)百文(ひやくもん)   (しゆ)ずみ
(ひとつ)廿四文(にじゆうよんもん)  あいろう
(ひとつ)三拾弐文(さんじゆうにもん) (ふで)弐本(にほん)
(ひとつ)百文(ひやくもん)   (ちや)わん (よつ)
(ひとつ)百文(ひやくもん)   三瀧川(みたきがわ) 小半斤(こはんきん)
十八日(じゆうはちにち)(あさ)
(ひとつ)金壱分(きんいちぶ)  源之丞(げんのじよう)(わた)(ぶん)
       金右衛門(きんえもん)無尽金(むじんきん)
(ひとつ)六拾文(ろくじゅうもん)
       根付根(ねつね)(からしむ)
十九日(じゆうくにち)
(ひとつ)金弐朱(きんにしゆ)内渡(うちわた)し (なべ)((屋))甚八(じんぱち)(かた)
  十四日(じゆうよつか)より十八日(じゆうはちにち)夜迄(よるまで)五夜分(ごやぶん)
十七日(じゆうしちにち)
(ひとつ)(やま)(とみ)(りよう)御屋敷(おやしき)(のぼ)
十八日(じゆうはちにち)
(ひとつ)休日(きゆうじつ)
十九日(じゆうくにち)
(ひとつ)(とみ)(やま)(りよう)御屋敷(おやしき)(のぼ)
同日(どうじつ)
(ひとつ)由比様(ゆいさま)(のぼ)る  清太夫(せいだゆう)
同日(どうじつ)
(ひとつ)(りよう)御屋敷(おやしき)より帰村(きそん)(おお)()けられ(そうろう)
(ひとつ)十九日(じゆうくにち)(よる)三軒茶(さんげんちや)(とま)
廿日(はつか)
(ひとつ)帰村(きそん)十四日(じゆうよつか)()廿日(はつか)(かえ)
     出入(でいり)七日(なのか)
八月(はちがつ)廿五日(にじゆうごにち)
(ひとつ)清右衛門(せいえもん)清太夫(せいだゆう)両人(りようにん) (さけ)弐升(にしよう)
   溜井(ためい)内見分(ないけんぶん)      文四郎(ぶんしろう)
同日(どうじつ)
(ひとつ)絵図面(えずめん)下書(したが)(したため)る  清太夫(せいだゆう)
廿九日(にじゆうくにち)
        清太夫(せいだゆう)
(ひとつ)絵図(えず)(こしらえ)
        内蔵助(くらのすけ)
卅日(さんじゆうにち)
(ひとつ)同断(どうだん)  右両人(みぎりようにん)
   右両日(みぎりようじつ)絵図面(えずめん)(したた)め、両日(りようじつ)(とも)日尺井(ひしやくい)にて諸賄(しよまかない)
       名主(なぬし)清右衛門(せいえもん)
     (ほか)に (にゅう)(よう) 清太夫(せいだゆう)(まかない)
(ひとつ)、みの (じゆう)  (だい)三十文(さんじゆうもん)
(ひとつ)朱墨(しゆずみ) (いち)  (だい)百文(ひやくもん)
(ひとつ)(ふで)壱本(いつぽん)   (だい)廿四文(にじゆうよんもん)
(ひとつ)、あいろう (いち) (だい)廿四文(にじゆうよんもん)
九月二日(くがつふつか)
(ひとつ)、半し (ひとつ) 水下帳(みなしもちよう)紙代(かみだい)廿四文(にじゆうよんもん)
九月二日(くがつふつか)
(ひとつ)水下帳(みなしもちよう)下書(したが)(したた)む  清太夫(せいだゆう)
寅三月(とらさんがつ)五日(いつか)()十六日(じゆうろくにち)(かえり)
 出入(でいり)十二日(じゆうににち)
(ひとつ)壱分(いちぶ)
(ひとつ)廿四文(にじゆうよんもん)  (はん)
(ひとつ)廿四文(にじゆうよんもん)  のり()水引(みずひき)
(とら)三月(さんがつ)十七日(じゆうしちにち)
(てら)にて
(ひとつ)()()い  惣村役人(そうむらやくにん)
        惣水下(そうみなしも)