益田市の南東部、真砂地区。地図を広げるとちょうど真ん中あたりにある地区なので、「益田のへそ」と呼ばれています。人口は約四百人。この地区のシンボルは日晩山。学問の神様「菅原道真」にゆかりのある山で、山頂からは中国山地を見渡すことができます。
【真砂をなんとかしなければ!】
今、日本の山間部と呼ばれる地域は、どんどん住む人が少なくなってきています。都会に人が出ていったり、子どもが少なくなったりしているからです。真砂地区も昔と比べると、ずいぶん人が少なくなり、地域に活気がなくなりつつありました。
「このまま何もしなかったら、地区が無くなってしまう…」
【真砂をもっと有名にしよう!】
真砂地区の人たちはあきらめませんでした。どうしたら真砂地区が元気になるかを、みんなで一生懸命話し合ったのです。そして、できることはどんどんやっていこうと協力し始めました。
まず、たくさんの人が日晩山に登ってもらえるように登山道を整備しました。次に、地区の人がお金を出し合い「有限会社 真砂」という会社をたてて、豆腐をつくって売り始めました。その豆腐は「真砂の豆腐」と名付けられました。豆腐を通じて「真砂」という名前を有名にしようと思ったからです。
それからというもの、地区の人たちで力を合わせて色々な活動を行っています。五十五年前に植林した真砂中学校の桜の木は地区のみなさんで管理を続けており、春には「さくら祭り」をして多くの人を真砂に迎えます。秋には「真砂まるごとフェスタ」と名付けて、日晩山登山やウォーキング、真砂でとれたお米や農作物の展示や販売をします。また、小中学校合同の学習発表会も一緒に開催され、地区の人がたくさん訪れます。
【小さな地区でもあきらめない】
こうして真砂地区も、だんだんと多くの人が来てくれる地区になってきました。住んでいる人が持っている力を集めたことで大きな力になっていったのです。
たとえ小さな地区でも、おいしいお米や特産品をつくれることは地区の自慢になり、みんなが笑顔になっていきました。みなさんもぜひ、真砂地区に遊びに来てください。「益田のへそ」で待っています。