【世界遺産 石見銀山】
皆さんは、大田市にある世界産業遺産「石見銀山」を知っていますか。
石見銀山は大森銀山とも呼ばれ、江戸時代のころには、銀がとれるところとして世界的にも有名でした。この石見銀山が世界産業遺産に登録されたのは、山の木を切ったりせずに、自然環境を大切にしながら銀をとっていたことが特に評価されたからです。実は、この石見銀山は、益田市と深い関係があるのです。
【益田から石見銀山へ】
北仙道地区の益田市乙子町に比礼振山という山があります。地元では権現山とも呼ばれます。山の頂上から見下ろす益田のまちなみや日本海は、本当に素晴らしい景色です。
この比礼振山に、「佐毘売山神社」という神社があります。五穀豊穣(※穀物が豊かに実ること)の願いをこめ、姫をまつった神社なので、このような名前がついています。不思議なことに、石見銀山にも同じ名前の神社があるのです。
佐毘売山神社
石見銀山の佐毘売山神社は、銀山の守り神として、益田から分祀(ある場所の神さまを、別の場所でもまつること)されたものです。
それではどうして益田の神社が分祀されたのでしょうか。
その理由としては、都茂丸山鉱山で働いていた人々が、その技術を持って石見銀山へ移動したのではないかと言われています。つまり、鉱山で働いていた人々が益田で大切にしていた神社を、石見銀山にもつくったのではないかということです。
【不思議なことを大切にしよう】
こんなふうに、違う場所に同じような名前や文化があるのは、とても不思議なことです。もっと深く調べると、他にも面白いつながりがあるかもしれません。不思議なことがあったら、その場所へ行ってみたり、地域の人に話を聞いてみたりすると、歴史や文化を勉強することがとても楽しくなります。
最近では、この「佐毘売山神社」というつながりから、益田市の人と、大田市の人の交流が始まっています。また、比礼振山には、乙子狭姫のお話や、権現仙人の言い伝えなどもあります。このように、ここ北仙道には豊かな歴史や文化が息づいているのです。
比礼振山からの景色