芭蕉の「閑さや岩にしみ入蝉の声」で有名な山寺(立石寺),松島の瑞巌寺,金色堂で有名な中尊寺,恐山の地蔵堂などもそうです。
それが事実かどうかは,有力な手がかりが得られないため,はっきりとはしていません。
慈覚大師の業績や人柄に対する人々の深い尊敬と憧れの気持ちの現れ,とみるのがよいのかも知れません。
いずれにしても,日本の天台宗の基礎を固めたというだけでなく,「入唐求法巡礼行記(にっとうぐほうじゅんれいこうき)」によって世界史の上にも大きな足跡を残した慈覚大師が郷土の出身であるということは,私たちにとっても大きなほこりといえるでしょう。次のページに慈覚大師にゆかりのあるおもなお寺を集めてみました。もちろんこれだけではありませんので時間があったら調べてみましょう。また,旅行に行ったときなど,ちょっと慈覚大師のことを思い出してみて下さい。
立石寺(山形県) |
山寺ともいわれる立石寺は慈覚大師円仁が最初に開いたと言い伝えられています。また,円仁の頭部を形どったといわれる木造の頭部の彫刻が伝わっています。 |
<慈覚大師にゆかりのお寺MAP>
お大師様が開いたという言い伝えがあり、ゆかりのあるお寺で有名なものを集めてみました。
- ①
- 比叡山
- ②
- 浅草寺(東京都台東区)
- ③
- 大慈寺(だいじじ)(栃木県栃木市岩舟町)
- 大師修行の寺
- ④
- 壬生寺(みぶじ)(栃木県壬生町)
- 大師が生まれた時に使ったという「産湯の井戸」が残る。
- ⑤
- 圓宗寺(えんじゅうじ)(栃木県壬生町)
- 大師が唐から持ち帰ったという法華曼荼羅が残る。
- ⑥
- 輪王寺(栃木県日光市)
- 大師により寺が整備された。三仏堂の阿弥陀仏,千手観音,馬頭観音(ばとうかんのん)は大師の作。
- ⑦
- 瑞巌寺(宮城県松島)
- ⑧
- 立石寺<山寺>(山形県山形市)
- 大師がこの地の風景を好み弟子の心能,実玄の両名を留めて道場としたのがおこり。
- 大師のお墓と伝えられるがんくつがある。
- また大師は壬生から麻の種をこの地に移したという。
- そのために、干布村の地名がある。
- ⑨
- 毛越寺(岩手県平泉町)
- この方角は、都にとってよくないので,大師が薬師如来の像をつくり,国家を守るために安置した。
- ⑩
- 中尊寺(岩手県平泉町)
- 大師の草創,利生院には,大師をたたえる歌が残っている
- ⑪
- 恐山の地蔵堂(青森県下北郡名部町)
- 大師の開山。大師山の地蔵尊を安置している。