各地で武士が力を持つ世の中になってくると,その力を示すような重要なできごとが,関東地方で起こりました。935年に起こった平将門の乱です。平将門は桓武天皇の流れをくむ平氏の一族で,関東地方で力をつけ,おじの良兼・国香などとの争いをきっかけに,乱を起こしました。常陸・下野などの国府を降伏させ,関東地方を従えて,自らは新皇と名乗り,関東地方で政治を行おうとしました。朝廷は藤原秀郷・平貞盛らの地方武士の力を借りて乱を鎮めました。このように平安時代には,すでに関東地方に将門や秀郷のような有力な武士団が形成されていて,朝廷もその力を認めました。将門の乱後も関東地方の武士団は,源平の合戦,鎌倉幕府による奥州征討,南北朝の動乱やその後の争いなどにまきこまれ,ある時は敵に,ある時は味方となり互いに争ったりしながら,勢力を伸ばしたり滅びたりしていきました。
平将門の勢力範囲 | 鎌倉時代初期の下野武士たち |