
こうした大変細かいきまりは,領主が領地の様子を見て考えたことであり,当時の武士や農民・下人の実態をよく伝えています。例えば,6カ条にもわたってけんかに対するきまりがあるのは,この時代の武士たちのけんかが,大きな問題になっていたことを示しています。また,21条には,「農民は,かんがいなどの対策をとらないでおいて,自分の田が天災の被害を受けたとか,不作だからといって年貢滞納のいいわけをしてはならない。」とあります。この文章から,農民が年貢をめぐって,領主と争っていたことが想像できます。
2 壬生氏と民衆