近代の壬生

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鯉沼家と家族(写真)鯉沼九八郎翁の碑

 


民権演説会の様子

 明治になると,日本の政治や文化は,大きく変わりました。政府はヨーロッパやアメリカなどの先進国に追いつこうと,西洋の制度や文化を取り入れました。また,国内では,天皇中心の政治のしくみや四民平等などの様々な政策が立てられました。
 しかし,新しい政府は幕府を倒した一部の人たちが握ることになり,国民の不満が高まっていきました。その中で,板垣退助を中心にした人々が,「自由民権運動」を起こし,国民の声を反映させるために,国会を開くことを強く要求しました。
 壬生にも,自由民権運動で活躍した人々がいました。その中の一人が鯉沼九八郎です。九八郎は,稲葉村に生まれ,小さい時から周りの人が感心するほど熱心に勉強しました。大人になった九八郎は,国会開設を要求する運動に影響を受け,自由民権運動に参加するようになったのです。
 「明治」という時代は,新しい政治や文化を作り出そうとする,国民のエネルギーが満ちあふれ,若々しい時代でした。このような大きな動きが,壬生町にもありました。ここでは,19世紀後半から20世紀前半にわたる壬生の様子を見ていくことにしましょう。