2 壬生の自由民権運動家たち

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 このころ,壬生町域では鯉沼九八郎を中心に佐藤折枝,岩本新吉,大久保菊十郎などが活躍しました。佐藤折枝は壬生町の士族で,1883(明治16)年に民権家植木枝盛(うえきえもり)を演説会のため壬生に案内したり,鯉沼九八郎の爆裂弾の実験の時には,深程(ふかほど)村(粟野町)の自宅を利用させたりしていました。学校の先生をしていた下稲葉村の岩本新吉は,鯉沼の爆裂弾の実験に参加していましたが,加波山(かばさん)事件には加わりませんでした。安塚村の大久保菊十郎は,1883(明治16)年には自由党の考えに賛成して党に加わり,本部へ寄付金を送っています。
 

※ 加波山事件…1884(明治17)年9月に起きた,自由民権運動に関連した事件の一つ。(P141参照)