この戦争は,「眠れる獅子」といわれた大きな国「清」(今の中国)との戦いであり,日本は国をあげて戦争へと進んでいきました。県内各地でも戦争の雰囲気を高めるため,日清戦争の幻灯会(スライド上映会)が開かれました。
明治政府の政策の一つに,国民皆兵制があります。1872(明治5)年に徴兵令を定め,満20才以上の男子に兵役の義務を負わせました。その後,何度かの改正が行われ1889(明治22)年には,戸主や後継ぎは兵役につかなくてもよいという特権の廃止,徴兵にしたがわなかったものへの罰の強化など,国民皆兵の制度はより厳しくなっていきました。
では,日清・日露戦争のころには,壬生町ではどのくらいの人が兵役についたのでしょうか。
壬生町域の徴兵実施状況 | |||||||
明治27年 | 28年 | 31年 | 32年 | 33年 | 34年 | ||
徴兵検査を 受けた人数 | 壬生町 | 70人 | 65人 | 89人 | 75人 | 101人 | 77人 |
稲葉村 | 43 | 42 | 50 | 53 | 58 | 60 | |
南犬飼村 | 57 | 38 | 58 | 54 | 53 | 54 | |
予備役を含む 現役の兵の数 と徴兵率 | 壬生町 | 9人 | 10人 | 17人 | 24人 | 38人 | 19人 |
(12.9%) | (15.4%) | (19.1%) | (32.0%) | (37.6%) | (24.7%) | ||
稲葉村 | 6 | 7 | 17 | 32 | 15 | 26 | |
(14.0%) | (16.7%) | (34.0%) | (60.4%) | (25.9%) | (43.3%) | ||
南犬飼村 | 15 | 9 | 23 | 20 | 23 | 22 | |
(26.3%) | (23.7%) | (39.7%) | (37.0%) | (43.4%) | (42.6%) | ||
『栃木県下都賀郡統計書』(明治27年~34年)より作成 |