2 戦時中の村々

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軍馬碑徴発軍馬記念の碑

 
 強い国と考えられていた清との戦いということで,国内でも緊張感が高まってきました。壬生の町村でも,兵士が戦争に出たり軍用馬が集められたりと,あわただしさを増していきました。兵士への寄付は学校などでも行われ,壬生の一生徒※1のとった行動が大きな話題として取り上げられました。
 壬生町は明治の初め頃から馬市が開かれた所でもあり,戦争が進むとたくさんの馬が徴発※2されました。今も,地元の神社などに見られる軍馬碑には,村から出された軍馬について記されており,馬への思いがいかに深いものであったか,戦争が壬生にどんな影響をおよぼしたのかが分かります。
 

※1 壬生高等小学校高等科1年の中村為之丞は,兄が招集されたことをきっかけに自分の貯金20銭を学校に持参し,これを軍に寄付した。これが校内にさらに献金ムードを生む原因となった。



※2 徴発…軍のために必要な人,物,動物などを強制的に取り立てること。