1 この世に生まれて

186 / 201ページ
 赤ちゃんのできた女の人は,妊娠5か月目の「戌の日」に実家から贈られた腹帯をまきました。犬はお産が軽いので,少しでもお産が軽くなるように,という願いがこめられたならわしです。また,芳賀郡の延生地蔵から安産のお守りを受けることもありました。おなかがとがっていると男の子,平らだと女の子と予想することもありました。
 現在は,多くの人は病院で出産しますが,昔は自分の家で産むことが多く,その時は近所の「トリアゲバアサン」と呼ばれた人(産婆・助産婦)に助けてもらいました。お産の時わらの束を21作ってそばにおき,お産の後,1日1束ずつ燃やしてお粥を作り,全部燃し終わった時「オビアキ」としました。
 お母さんのおなかの中で,赤ちゃんと結んでいた「へその緒」は大切にしまっておいた家が多かったようです。