2 子どものお祝い

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 誕生後初めての儀式がお七夜です。昔は生まれて7日目に行っていましたが,宮参りもするようになってから,33日過ぎに行うようになりました。この日は,親戚の人や「トリアゲバアサン」などを招いて,赤飯やけんちん汁などを作って祝いました。また,屋敷神や便所・井戸に赤ちゃんをお参りさせたり,赤ちゃんの名前を紙に書いて神棚などには貼ったりしました。

赤ちゃん命名

 
御食い初め一升餅七五三

 
 赤ちゃんは33日過ぎに,お母さんの実家に,顔を見せに行きました。初めて行くので「シンキャク(新客)」といいます。この時は赤飯を重箱につめ,上下にナンテンの葉を入れて持って行きました。
 生まれて100~110日目に,ご飯の食べ始めの儀式をします。「オクイゾメ(食い初め)」といい,祝いのお膳から食べさせるまねをするのです。
 生まれて初めての節句に行われるのが初節句です。男なら5月5日,女の子なら3月3日にお母さんの実家や親戚などから武者人形や鯉幟り,雛人形などが贈られます。
 初正月・初節句・初誕生日と,赤ちゃんにとっては初めての行事です。初誕生日のころには,イッショウモチ(一升餅)といって,一升の丸餅をふろしきに包んで赤ちゃんに背負わせます。歩き出すのをみんなで見守り,成長を祝う習俗(ならわし)がありました。
 男の子は5才,女の子は3才と7才の時,七五三のお祝いをしました。晴れ着を着てお宮参りをして,赤飯を炊いて祝いました。
 このように,子どもの元気な成長を心から願って,いろいろな行事がありました。また,子どもが夜泣きをする時は,山神様をお参りすると良い,といった言い伝えなどもたくさんありました。町のお年寄りに,こんなお話を聞くのも楽しいことです。