[寺社の祭り]

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 壬生町には,たくさんの神社や寺院があります。それぞれ地域の人々の信仰をえて,いろいろな祭りや儀式があります。「壬生町史」には,38自治会,111件の儀式や祭礼が記録されています。ここでは,県下でも有名な四つの祭りを取り上げて説明します。
○ハンギリまつり(11月23日 上田(かみだ)地区宿坪)
 大型のたらいに似たハンギリに,新米のご飯を御神酒で練りつけ,村の鎮守の磐裂(いわさく)神社に奉納する祭りです。「ヤンセ,ヤンセ」とかけ声をかけながらもむことから「ヤンセモミ」とも呼ばれています。祭りのユーモラスなやりとりや,力強いもみ合いから,収穫を神に感謝する素朴な姿を見ることができます。

ハンギリまつり

○小林神社の祭り(もと9月8・9日。現在は9月15日)
 北小林地区の鎮守が小林神社で,まつってある神様は大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこのみこと)です。御神体として御本尊の薬師如来が置かれ,人々は小林神社を「薬師様」とよんでいます。つまり,神と仏がいっしょにまつられ(これを神仏習合といいます),祭りでは神官の祝詞(のりと)と僧侶のお経,玉串を供えることと焼香という,二つの儀式が同時に行われる珍しい祭りです。
小林神社の祭りと神楽殿お神楽

 
○壬生寺信仰とその祭り
 慈覚大師が誕生した地と伝えられる壬生寺(みぶじ)は,古くから安産や子育てに,御利益があると信じられていました。また,藩主が奉納したとされる六地蔵の信仰と合わせて,近年では厄除けの寺として,壬生町内ばかりでなく,宇都宮など周りの市町村の人々の信仰も集めています。
 4月14日には10カ町(通町7カ町・上表町・横町・旭町)の世話人が集まって護摩が焚かれ,今後の年間行事を相談する世話人会が行われていて,2月の節分には豆まきがあります。

大師まつり

○天王さまの祭り
 各地域で行われる八坂神社のお祭りで,夏の暑い時期,かつては伝染病に対する庶民の不安を取り除くために行われたといい伝えられています。
 7月7~16日にかけて,7カ町(万町・上新町・栄町・舟町・仲町・上町・三好町)のまつりが行われます。子供みこしや屋台とよばれる山車(だし)が,お噺子にのって町内をねり歩きます。
 同じ時期,上表町・中表町・下表町・下横町の4カ町でも屋台が出て,町内を回ります。
 旧暦の6月7日,羽生田(はにゅうだ)の「ものぐさ天王さま」とよばれているまつりがあります。現在は歓喜院の住職により,仏式で行われています。子供の虫封じに御利益があるとされています。

ものぐさ天王さま