壬生城は鹿沼台地の南端に位置しており、河川合流にはさまれるなど自然の条件を巧みに利用して現在地に築城されていたことがわかります。
中世に築かれた壬生城は、江戸時代に入ると壬生藩の政治・経済の中核として引き続き維持され、城の拡張や城下町の整備が行なわれました。その規模は、本丸・二の丸・三の丸などの曲輪や8の門よりなり、総坪数は7万5千坪といわれています。
このような壬生城も明治維新の変革により廃城となり、その後は建物の撤去、城地の払い下げなどによりその景観を大きく変えていきました。今日、壬生城のかつての姿をたどろうとしても、その全体の姿を理解することはなかなか困難です。
今回、第7回企画展として「壬生城-悠久のロマンが今よみがえる-」と題し、かつての壬生城を文献史料、絵図、発掘出土品、遺構、模型などを通じてもう一度探ってみようと考えました。この企画展を通じて、壬生城の全体像が少しでも明らかになれば幸いです。
おわりに、本企画展の開催にあたり、貴重な資料をご出品くださいました所蔵家の皆様、並びにご協力いただきました関係各位に深甚なる謝意を表する次第です。
平成5年10月
壬生町教育委員会
教育長 榎本和平