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11.鉢巻をした男 現存高:25.7cm |
愛宕塚2号墳は、県道栃木・宇都宮線を挟んで愛宕塚古墳(国指定史跡)と対峠してあった円墳である。墳丘は直径が約10m、高さが約2mであった。愛宕塚古墳の周囲には、数基の古墳があったものと思われるが記録や出土遺物が残されているものは、本墳だけである。
明治38年(1905)に地主石崎サトが所有地内の塚を開墾した際に埴輪を発見した。同年5月29日付けで栃木県知事に発掘認可願いを提出した石崎サトに対して栃木県は、同年6月1日付けでこれを許可した。許可を得た石崎は、翌明治39年(1906)1月に坂本留吉とともに発掘開墾を行った。その結果「6尺以上の石棺内に埴輪の馬、鉄製馬具類、鉄直刀2口曲玉、その他の玉類」が出土した。「6尺以上の石棺」は横穴式石室であったものと思われるが、確認することはできない。
現在まで残っている出土遺物は、直刀4、鐔(つば)2、刀子(とうす)3、鉄鏃(てつぞく)38、轡(くつわ)1、鐙鎖2、Λ形鐙金具2、人物埴輪の頭部、埴輪馬の頭部片、大刀形埴輪の柄部装飾(三輪玉)、円筒埴輪片である。