[男たち]

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39.農夫(馬飼い)
足利市明神山5号墳
高:61.4cm

 
40.農夫(馬飼い)
足利市明神山5号墳
高:62.5cm

▲鎌の部分拡大

 
 農夫を象った人物埴輪は、円筒形の台上に直立する上半身を表わし、他の像に比べて作りが小形である。農夫像は、古墳時代の農具を代表する鍬と鎌を身につけ、頭部は浅鉢形の笠や髪の毛を頭頂部に結った裸頭を表現している。鍬と鎌の道具から、農夫像に托された願望は五穀豊穣であったのかもしれない。
 足利市明神山5号墳出土例は、埴輪樹立から馬飼いを表現する農夫であろう。馬飼いを表現した例は、千葉県芝山町姫塚古墳出土のものがある。