[鹿絵]

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53.鹿の線刻画のある円筒埴輪
宇都宮市塚山古墳
高:51.0cm

 
■鹿絵のある円筒埴輪
 塚山古墳群周辺より発見された埴輪棺の一基より鹿の線刻のある円筒埴輪が出土した。鹿絵は、円筒埴輪口縁部外面に施され、左に雌、右に雄、つまり雌を追う雄の二頭が一つの図で、もう一つの図はその反覆により、都合二図となっている。名もない埴輪工人が描いたものと考えられるが、躍動感あふれる鹿の姿は、原始絵画としてみても価値の高いものである。古代の鹿絵は、ハニワ・土器・銅鐸例にわずかであるがみることができる。