器財埴輪は、器物を象った埴輪の総称である。盾(たて)・衣蓋(きぬがさ)・翳(さしば)・靭(ゆき)・短甲・冑(かぶと)・草摺(くさずり)・鞆(とも)・大刀・椅子・高坏・帽子・舟・合子等を表現したものである。一部の舟を除くといずれも円筒埴輪を基台にしている。
種類によって出現期は異なるが、盾や衣蓋は4世紀後葉、甲胄・靭・鞆・舟は4世紀末には出現したようだ。盛行する時期は5世紀頃である。
器財埴輪の中で大きな役割を占める盾・靭・甲胄については実物が棺内または棺外に副葬されることがある。
器財埴輪は、豪族が生前所持していたり、葬送の儀礼に用いたり、あるいは権威の誇示のために用いたといわれる。