太平洋戦争後の産業復興は、昭和25年(1950)の朝鮮戦争からはじまり、そして昭和30年代より昭和40年代にかけての経済高度成長期に飛躍的な発展をとげた。
港区内の工業発展も同じ歩調で進み、昭和24年を基準にすると工場数で、昭和30年2・41倍、昭和51年3・52倍となる。また、出荷額からみると、昭和30年の指数766、昭和51年1万1130となっている。
これらの工場は、形成の歴史からもわかるように、芝地区が中心で、とくに芝浦の埋め立て地域に大工場が集中し、古川流域と京浜国道沿い愛宕下方面にかけて中小工場が立ち並んだ。
更に、工場を部門別にみると、出版・印刷と金属製品工業の割合が高く、都市型工業の特徴をとらえることができる。また、木工、家具製造の分野も見逃すことができない。このほか、芝浦食肉市場の存在や、東京港の海運、荷役、船舶関連企業、倉庫業の活動も本区の産業の特色といえよう。