区立幼稚園の施設とその特色

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 明治17年(1884)、芝地区芝公園内に私立芝麻布共立幼稚園が設立された。区内幼稚園としては最初の設立である。その後、明治期に、芝地区に聖心・南高輪(森村学園)の両私立、麻布地区に麻布教育会付属私立麻布・朝日、赤坂地区には公立小学校付属として赤坂・青山の2園が開園されている。
 大正期にはいると、公立として麻布幼稚園のほか、三田・三光(さんこう)・聖坂・南町・東洋英和・霊南坂・明徳の各私立幼稚園が開設された。本区の特色として、さきの聖心をはじめ東洋英和・霊南坂・聖坂とキリスト教関係による幼稚園設立が目立つほか、昭和前期には高野山・明徳・麻布山などの仏教関係幼稚園が開園され、宗教関係による幼稚園設立が多い。
 太平洋戦争後までの幼稚園は、統合・廃止を含め26園を数えるが、そのうち、公立幼稚園は5園にとどまり、大部分は私立幼稚園で伝道や社会事業としての色彩が濃いものが多かった。
 港区内の保育所は、明治期には現れず、最初の設立は大正7年(1918)、大正婦人会託児所が浜松町に開所、同14年に聖ヒルダ揺光ホームが、聖ヒルダ孤児院(明治24年開院)の後身として開かれた。その後、昭和5年(1930)に芝地区白金三光町市民館乳幼児保育部が開設されている。これらは、いずれも勤労女性の子女を対象としたもので、満2歳から学齢時までの幼児を受け入れた。
 保育所、幼稚園とも、現在のような隆盛を極めるのは、太平洋戦争後の昭和30年代後期にはいってからである。
 
関連資料:【文書】教育行政 麻布区教育会
関連資料:【学校教育関連施設】