港区の特殊性

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 以上のように、①生涯学習体系への転換、②教育全般、特に学校教育に対する区行政の主導性の強化という2点が、国の法改正との関連において港区教育史においても特徴的だった。
 以下に述べるのは、港区の地勢の影響による、区独自の人口動態の変化についてである。昭和60年代以降、宅地をオフィス用地へと転換する都市再開発が活発になり、人口減少が急速に進むことになった。それに対して、平成8年(1996)以降は、地価下落に伴う住民の都心回帰が強まり、都心にある港区の人口は次第に増加に転じ、日本全体は少子化であるにもかかわらず区においては15歳以下の人口が増加するという特異な様相を見せている。
 この港区の人口動態の特殊性が区内公立幼稚園、小・中学校の存廃に強い影響を与えたことは言うまでもない。以下、この点について検討してみることとしよう。
 
関連資料:【図表および統計資料】教育行政 港区地域の人口
関連資料:【図表および統計資料】教育行政 区内世帯数と一世帯当たり人員