私立諸学校

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 『文部省年報』は、各府県の学事報告をもとにして、「学制」や「教育令」の各地域への展開を確かめて学校の報告をしている。学校の設置、開設の状況は6節・7節でくわしく述べられるが、ここでは、初期の『文部省年報』を資料として数表化し、いかに多くの学校が、港区地域の教育に参加していたかをうかがってみたい。
 この『文部省年報』の中には、現在まで長い歴史を持つ慶応義塾[注釈33]が含まれているし、産業教育の草分けとしての学農社[注釈34]や攻玉社(こうぎょくしゃ)も記されている。しかし明治学院[注釈35]、東京慈恵会医科大学や、麻布、芝、正則[注釈36]、高輪学園、東洋英和[注釈37]、頌栄(しょうえい)、普連土(ふれんど)[注釈38]の各中・高等学校の前身は、明治初期に設立されているが、明治12年までのこの表には含まれていない[図8][図9]。
 

[図8] 港区地域内の公・私立学校数年次別表(『文部省年報』/旧『港区教育史』下巻684ページ参照)

 

[図9] 私立外国語学校 明治8年の開学状況[注釈39] (『文部省第三年報』〈仏〉以外英学)