農業・工業・商業の選択は、地域の実情に合わせ、地域や学校できめることができ、女子は裁縫とともに家事経済を加えることができるなど、弾力性をもたせている。
また福岡文部卿は、明治14年の地方長官合同席上で、次のように演述している。
(前略)土地ノ情況ニ随ヒ農工商ノ学科ヲ加へ、女子ノ為ニハ裁縫ノ外家事経済ヲ加フル等ニシテ、勉メテ就学ニ便ニシテ実用ニ適シ、純良ノ教育ヲ授クルヲ旨トスルニアリ(後略)
[図4] 「小学校教則綱領」に示された女子の裁縫科
このことは、次の「小学校令」においても、高等小学校の学科に、女児の裁縫と「土地ノ情況ニ因テハ英語・農業・手工・商業ノ一科若クハ二科ヲ加フルコト」ができるとしていることにつながっている。