目次
/
第2章 近代教育の進展 ―明治後期の教育―
/
第2節 小学校教育の展開
/
第3項 教育の状況
/
(3) 進級・進学
進学のようす
190 ~ 191 / 370ページ
明治40年の筓小学校の考査規程によると、平常考査と特別考査の二つの方法があり、甲、乙、丙、丁の評語によって、各学期毎に評価し、学年末には、その平均をとって一覧表を作成、各教科を通して丙以上の成績を得た者を進級させた。ただし、一科目に限り丙以下のものは協議の上進学を許す場合があるとしている。
上級学校への進学は少なく、大半の児童は小学校卒業だけで、商家の子どもが高等小学校を出るくらいであった。明治40年代に至っても「中学校に進学したのは町内で二、三人位」(三河台小学校)であった。女子の場合は、お針や三味線のおけいこごとに通い、見習い奉公にいってお嫁にいくのが普通であったという。
[図49]の記録は、『桜田小学校要覧』に載せられたものである。義務年限延長となってほとんどの児童が小学5年に進級していく様子がわかる。
[図49]児童の進路(桜田小学校要覧)