日清・日露の戦役を経て、芝浦地域の工業地域化はめざましく、「実業補習学校規程」によって、関係校は地域を選んで開設された。工業が盛んになるにつれて、工場で働く青少年や工場で働こうとする青少年に、工業従事者として必要な知識技能を授け普通教育内容の補習をめざしていたのである。専修科に進んで、機械、建築、電気、化学、図案その他工業に関する内容や実技等を習得させ、発展を続ける工業の質の高い働き手を養成しようとしていた。
[図1]工業補習夜学校設置認可申請(東京都公文書館所蔵)
[図2]工業補習夜学校規則(東京都公文書館所蔵)
授業料は1カ月15銭で、当時としては低額であった。夜学校として、勤労青少年が、芝小学校の校舎、施設、器具などを共用して学習できるようにしたのである。