日露戦争後の経済

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 日露戦争下の増税と物価の騰貴(とうき)、戦後の経済界の不況と沈滞は、一般庶民の生活を窮乏させた。日清戦争後から独占資本は形成され、財閥は繁栄した。
 戦後、国民の興奮が鎮まったころから大きな労働争議があいついだ。労働者の賃上げ要求、同盟罷業(ひぎょう)があいつぎ、明治44年、市電初のストライキが行われた。本所出張所での電車運転中止をきっかけに、同年12月31日には、三田を中心に青山、新宿、浅草の各出張所でも同様の事態になった。大(おお)晦日(みそか)の夜半まで、市内の交通は、ほとんど麻ひ状態になり、明治45年の元日は、ストライキの中で明けた。