主な答申内容と実施状況

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 臨時教育会議は政府から諮問された次の9項目の答申と2項目の建議を行っている。
 
  答申 (1) 小学校教育について  (2) 高等普通教育について
     (3) 大学教育及専門教育  (4) 師範(しはん)教育の改善について
     (5) 視学制度について   (6) 女子教育について
     (7) 実業教育について   (8) 通俗教育について
     (9) 学位制度について
  建議 (1) 兵式体操振興に関する建議
     (2) 教育の効果を完からしむべき一般施設に関する建議
 
 答申結果は漸次実現されていった。例えば小学校については義務教育年限の延長は見送りになったが、教育費の国庫負担の増加や、教育の根本方針の確立、入学準備教育の改善などが行われている。中学校については、大正8年2月7日「中学校令」が改正され、尋常(じんじょう)小学校5年生からも入学の道が開かれた。また大正9年7月6日には、「高等女学校令」が改正され、修業年限を5年に延ばし、専攻科・高等科の設置も認められた。
 高等教育の改善は臨時教育会議の中心となる課題であった。大正7年12月6日、答申に基づき「高等学校令」「大学令」が公布され、高等学校については7年制高等科の設置や高等学校に文科・理科を認め、中学4年修了でも入学できるようになった。大学については帝国大学以外にも公私立大学を認め、また単科大学も認められ、高等教育機関が拡充された。港区地域にも「大学令」による慶応義塾大学や東京慈恵会医科大学が認可された。
 なお、港区地域でも入学準備教育の改善策としての「飛び級入学の制度」[注釈1]の導入や「能力別指導」が行われていたことなどが青南小学校や筓(こうがい)小学校などの校報誌に記載されている。また、教育の基本方針の確立などの答申の趣旨を受けて、地域内の各校で新しい教育方針を示し教育実践の目標などを明らかにしている。
 
関連資料:【文書】小学校教育 氷川小学校の教育方針