養護[図11]

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 養護の活動については、大正7年(1918)の麻布小学校の例が次のように残されている。
 

[図11]夏季休業中の冷水摩擦(青南小学校『創立70周年記念誌』)

 
     養護
  一 養護上ノ方針
    衛生ヲ重ンズルト共ニ鍛練的体育ヲ奨励シテ体力ノ増進ヲ図ルベシ
  二 体育器械器具ヲ完備スルコト
  三 体操教授時間ニハ該担任教員ノ外学級所属教員助手ニ依リテ矯正指導スル
  四 剣道部ノ発達ニ努メ水泳練習ヲモ亦奨励スルコト
  五 校外教授ノ外遠足登山ヲ施行スルコト
  六 運動会ヲ体育上最有効ニ施行スルコト
  七 身体検査ヲ一層有効ニ利用スル方法ヲ講ズルコト
  八 伝染病予防法ニ周密ノ注意ヲ払フコト
  九 掃除ノ器具ヲ整備シテ大掃除ヲ実施スルコト
  (『東京都公文書館資料』)
 
 また、大正11年に創刊された神応(しんのう)小学校の校報『学校通信』の中に養護の方針として、
 
  ……本校においては、体育の理想的設備を施し、合理的体操を課し、毎朝一斉に呼吸運動を行わしめ、毎日合同体操を行ひて積極的に児童の身体を鍛錬し、抵抗力の強い頑丈な児童にするように力め、姿勢を正しくすることを厳しく注意しています。……
 
と述べており、養護活動は体育の授業を補完しながら、積極的に児童の体力の向上をめざしていることが示されている。