儀式[図12][図13]

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 儀式の中で『三大節』といわれる「四方拝(しほうはい)・一月一日」「紀元節(きげんせつ)・二月一一日」「天長節(てんちょうせつ)・一〇月三一日」が最も重要な儀式とされ各校では厳粛な儀式体験を得させていた。当時の区内小学校では、校規の中に「儀式規定」を定め実施していた[注釈9]。これは先の三大節をはじめ勅語奉読式、戊申(ぼしん)詔書奉読式、学校創立記念日、卒業証書授与式、入学式、陸軍記念日の式などについての規定であった。
 

[図12]精励賞・大正10年飯倉小学校(村山波子氏提供)

 

[図13]芝小学校の卒業写真(芝小学校『写真で見る百周年記念誌』)

 大正10年(1921)の卒業式及び修業式の例が、白金小学校の記録に残っている。
 
  白金小学校の修業及卒業証書授与式
   大正十年三月二十五日午前九時より三学年以下、午前十時より四学年以上の二回にわかち、修業証書及卒業証書授与式を挙行しました。大竹芝区衛生係長、片岡、吉島、藤田の三保護者会幹事外卒業児童保護者五十余名の臨場があって保護者総代として八戸道雄氏の挨拶があって、駒木根学校長以下職員一同に謝辞を述べました。又成績優良及佳良の児童に賞状並に賞品を授与したのは例年通りであるが、一日の欠席なき男児卒業生に皆勤賞状を授与いたしました。其他田中次郎氏の寄附に成れる奨学基金の利子にて、各級の最優秀児童二十五名に賞状及賞品を授与いたしました。又芝区長より卒業児童最優等四名に特賞として賞状及び国漢文辞典を授与されました。 (校報『シロカネ』第3号)
 
 当時の卒業式は、卒業証書の授与とともに、学業成績優秀者や無欠席児童に対し、賞品、賞状を授与し、一層の勉学意欲の向上をはかっていた。
 
関連資料:【文書】小学校教育 鞆絵小学校儀式・行事