芝・麻布・赤坂の各区には教育会があり、大正期の後半に校外施設を発足させている。各学校は、夏季学園としてこの施設を活用するようになった。
麻布区教育会 本会ではニコニコ学園を会の事業の主たるものとしている。大正12年夏から神奈川県金沢町海浜に開設した。宿舎は同町の小学校を借用している。(『麻布区史』)
赤坂区教育会 本会は毎年夏季に沼津臨海学園を主催経営している。(『赤坂区史』)[注釈33]
芝区教育会 本会の対児童関係事業として最も重要なものは、夏季林間学校である。林間学園の施設として大正10年8月1日より同21日まで、千葉県君津郡富津町の西南端宇川名に夏季林間学校を開き、入団者は男子第5学年以上及び高等科男子中より希望者を募り、児童の体質の向上を図ることを目的に本区初めての試みとして実施した。その結果は意外に好成績を納めたので翌年から毎年夏季に開催し、大正13年7月には神奈川県藤沢町辻堂に開催の上、虚弱児童を養護し体質の改善を図った。翌14年には神奈川県三浦郡浦賀町大津海岸に場所を変えている。(『芝区誌』)[注釈34]
以上3区の教育会は、共通の目的をもって校外施設を開設し、各校はこの施設を中心に夏季の指導を行ってきた。
関連資料:【文書】教育行政 麻布区教育会
関連資料:【文書】教育行政 芝区教育会
関連資料:【文書】教育行政 赤坂区教育会
関連資料:【文書】小学校教育 赤坂臨海教育団