直営小学校の区への移管[図13]

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 区内には東京市直営小学校として芝区芝浦尋常(じんじょう)小学校(後に、竹芝小学校)と麻布区絶江(ぜっこう)尋常小学校があった[注釈9]。震災を機に市は直営小学校を所在区へ移管する方針を決め、大正15年以降にその実施をみた[注釈10]。『東京市復興誌』の記述をまとめると、
 移管の理由
 1 市財政の関係。
 2 在校生、卒業生の中に社会の差別的待遇を受けるを嫌う風を生じてきた(直営小学校は授業料免除・学用品給与の特典があり、生活に困った家庭の児童が多く通っていた)。
 移管後の処置 大正14年12月、東京市会は次のことを議決した[注釈11]。
 1 市所有に係る校地・校舎・其他設備一切を無償で学校所在区に交付する。
 2 大正15、16、17年度に補助金を交付する。
 特に、焼失校であった芝浦小学校には、東京市は復興、復旧費にも力を入れた。
 

[図13]東京市直営小学校の移管