大正期の各小学校では児童中心主義の風潮にのって教授研究などが盛んに行われた。この研究、修養についても校規を定めている所が多い。「職員修養会規定」や次の「教授研究規定」もその一つである。
教授研究規定(桜田小)
第一条 本校ニ於ケル教授ノ能率増進ト更ニ之レガ徹底センガ為ノ教授研究会ヲ設ク
第二条 教授研究会ニ於テ行フベキ事項左ノ如シ
一 実地教授
二 実地授業ニ関スル研究討議
三 他校参観
四 指導者ノ招聘
五 職員相互ノ発表
第三条 教授研究会ニ於テ行フベキ実施授業ヲ別チテ左ノ三種トス
一 同学年研究教授
二 全校的研究教授
三 特別研究ニ係ル実地教授
第四条から第一〇条まで(略)
いわゆる研究授業とその研究討議、他校参観、講師を招いての講演会や研究会、読書会、講習会参加者の報告発表など多彩な研修活動を規定している。そのねらいは「教員の修養向上と教授能率増進」にありとしているが、すなわち一人一人の教員の資質と指導力向上がねらいであった。