実業専門学校

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 港区地域には大正期に実業専門学校が2校設立された。1校は、大正11年(1922)4月開校の官立東京高等工芸学校(芝区新芝町)であり、他の1校は、「専門学校令」により組織変更し、大正8年11月に開校した私立大倉高等商業学校(赤坂区葵町)である[図12]。
 いずれも工業、商業の高等の学術技芸を授ける目的で設置されている。前者は工業の中でも精密機械とか印刷、工芸図案、彫刻など特色のある学科に重点がおかれ、入学資格も開設当時は、尋常(じんじょう)小学校卒業後5年又は高等小学校卒業後3年の工業学校において志望学科を修めた者、及び尋常小学校卒業後3年以上の工業学校で志望学科を修め卒業後2年以上志望学科に関する実技に従事した者、あるいは多年志望学科に関する実技に従事した者で学校長において適当と認めた者となっている。
 

[図12]大倉高等商業学校(『港区史』下巻)

 大倉高等商業学校は港区地域にある唯一の商業専門学校で、本科・夜間専修科を設置し、多数の卒業生を教育し業界に大きな貢献をしている。