大正期の東京には各種学校が数多く誕生し繁栄した。各種学校は時代の新しさを反映している。港区の各種学校もその流れの中にあった。
外国との交流が盛んになるにつれ、外国語の各種学校が増大した。自動車の普及によって、自動車の技術者や運転手を養成する各種学校も大正期に開校された。裁縫学校も、洋服が一般化されるに従い和裁と洋裁の併用時代となり、さらに洋裁学校が誕生したのも大正末期である。
美容学校は、大正2年、フランス人の美容師マリールイズが日比谷に美容講習所を設立したことより始められた。
商業実務として簿記、珠算をはじめ、女性の新しい職業分野としてタイピストを養成する各種学校も開設された。
看護婦養成の看護婦学校や幼稚園の増加によって保母養成所も設立された。東洋英和女学校附属保母養成所(大正8年東洋英和女学校に合併)もその一つである。
[図13]芝・麻布・赤坂3区内の各種学校一覧(『芝・麻布・赤坂三区史』)