教化団体・家庭教育の振興

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 明治後半から大正にかけて、修養団体として結成された団体がいくつかある。これらの団体は大正12年11月10日、「国民精神作興ニ関スル詔書」の発布により、設立意義を一層強めると共に、さらに新な修養又は文化団体が結成された。地域内にあった団体には、芝区の国民向上会、麻布区の働く会、聖徳太子奉讃会、赤坂区の自民会などはいずれも大正期に結成された団体で、仏教精神などによる国民精神作興をねらいとしたものや、勤労の美風鼓吹、無産階級の保護教化をねらいとしたもの、聖徳太子の偉徳奉讃による国民思想の善導などいろいろであるが、これら教化団体の結成は「国民精神作興ニ関スル詔書」の発布並びに大正13年の教化団体連合会の結成などとともに家庭教育振興の背景となっている。
 なお、婦人会の結成は大正9年末には約5600団体にも達していた。港区地域の婦人会の結成状況については明らかではないが、大正婦人会という団体名があるところをみると既に大正期に婦人会が結成されていたことがうかがわれる。