教科と内容[注釈6]

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 国民学校初等科の教科は、国民科、理数科、体錬科、芸能科であり、国民学校高等科には実業科を加えたものになった(国民学校令第4条)。教科の内容、指導時数は、「国民学校令施行規則」第27条、28条により定められていた。
 乃木国民学校では、昭和16年(1941)施行の国民学校の教育体制について、次の要旨を示した。国民学校の国策的使命の理解を深め、学校一丸となり、教科と内容を十分に検討した後がうかがわれる[図4]。
 
   国民学校ノ教科及科目、皇国民タルニ必須ナル資質
 (1) 国民科 国民精神ヲ体認シテ国体ニ対スル信念ヲ確立シ皇国ノ使命ニ対スル自覚ヲ有シナケレバナラヌ
 (2) 理数科 日進ノ科学進歩ニ対スル一通リノ認識ヲ有シ生活ヲ数理的科学的ニ処理シ創造ニヨッテ以テ国運ノ発展ニ貢献シナケレバナラヌ
 (3) 体錬科 活達剛健ナル心身ト献身奉公ノ実践力ヲ有シナケレバナラヌ
 (4) 芸能科 高雅ナ情操ト芸術的技術的表現能力ヲ有シナケレバナラヌ
 (5) 一定ノ職業ニ従事シテ職域ヲ通シテ国ニ奉ズルノ熱意ヲ有シナケレバナラヌ五者ノ有機的統一ヲハカリ国民的人格ハナル
 
 初等科13科目、高等科17科目、1時間は40分授業、休みは自由 授業時数 1年(23時) 2年(25時) 3年(27時) 4年(31時) 5年(33時) 6年(33時) 午前中は4時間とする。
 高等科1年、2年共に33時から35時へと増課を認めている。

[図4] 国民学校体制・乃木国民学校(同校、国民学校体制より)