新教科書による実践

102 ~ 103 / 477ページ
 昭和初期は、大正期の児童中心主義の流れを受けた教育実践もみられたが、次第に国家主義、軍国主義に立脚する「国民錬成教育」に移行していった。
 このことを、国定教科書の改訂の動きからみてみよう[図22]。

[図22] 国定教科書の改訂

 算数や理科の教科書には、教科の性格上戦時的な内容は強くはないが、『カズノホン一』には、軍艦、飛行機、日の丸の旗などの絵が使用され数を数えたり、計算させたりしている。『初等科理科三』では、卵のからで潜水艦を作ろうとか、(1)金物集めで、
 
 戦争ヲスルニハ、軍艦、鉄砲、大砲、戦車、飛行機、弾ナドガイル。コレヲツクルニハ、イロイロナ種類ノ金物ガ必要デアル。私タチハ、イツモ気ヲツケテヰテ、金物ヲムダナク使ヒ、少シデモ捨テナイデオイテ役ニ立テヨウ。
 
 とあり、戦時的色彩がみられる。
 このような教科書によって、どのような錬成教育がなされたかは、当時の児童の作文から読みとることができる。