戦時体制強化と物資不足のなかでも、学校給食を開始する学校がふえてきた。文部省は、昭和15年4月30日、「学校給食奨励規程」を制定し、学校給食の普及に努力していたことがわかる。
学校給食に関する各校の記録をみると次のようである。
高輪尋常小学校 給食(米と菜)を実施 昭和9年
青山尋常小学校 学校食(栄養食)供給実施 昭和10年
南桜尋常小学校 児童に牛乳と肝油を服用させる 昭和15年
桜川国民学校 給食を開始(暖房室を改造炊事室にする) 昭和19年
白金国民学校 味噌汁給食を始める 昭和18年
南桜国民学校 給食設備完備学童給食開始 昭和18年
芝国民学校 学校給食開始 昭和19年
麻布国民学校 学校給食開始
筓(こうがい)国民学校 味噌汁配給開始(母の会後援)
学校給食開始 昭和19年
三光(さんこう)国民学校 学校給食開始 昭和19年
青山高等国民学校の記録をみると、給食について次のように記載されている。
昭和十九年四月一日 三月十五日附教体発第九三号 教育局経済部長警視庁保安部長 経済警察部長ノ名ヲ以テ急速学校給食準備ノ通牒(チョウ)アリ本区ニ於テハ三月二十四日区校長会ヲ開キ協議ヲ重ネ準備ヲ急キシモ 鉄類ノ大量供出後ノタメ 鍋釜等ヲ得ルコト頗(スコブ)ル困難ヲ極メタリ 本日ヨリ実施ニ当リ給食係職員ヲ割当テ 児童三年以上ハ当番ヲ定メ 一、二年ハ上級生ヨリ配給当番ヲ割当テタリ
五月頃ニハ野菜不足ノタメ 三多摩郡各国民学校児童職員ハ食料野草ヲ蒐集(シュウ)シテ多量寄贈ヲ受ケ好意謝スルニ余アリ
とあり、給食施設の不備や食料不足の様子が読みとれる。
次に、青山国民学校、昭和19年度の学校日誌から、給食開始の記事をぬき出してみる。
四月 一日(土) 学校給食開始 握り飯二ケずつ
四月 二日(日) 地下炊事場出口地ならし作業
中央食糧営団より「かんづめ」一〇〇〇個
四月 三日(月) 漬物組合より梅干一二〇個、小松菜
四月一六日(日) 野菜八百屋より届く
四月一八日(火) 府衛生技師学校学校給食視察
四月一九日(水) 中央食糧営団企業が食糧貯蔵状態視察
文部省体育局保健課学校給食状況視察
四月二〇日(木) 始業前給食について職員打合せ会を開く
関連資料:【文書】特別支援教育 青山小学校虚弱児童のための学校食
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