青年学校の目的

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 昭和10年(1935)「青年学校令」が公布されそれまで勤労青少年に対する教育機関であった「実業補習学校」と「青年訓練所」が統合合併されて新しく「青年学校」が発足した。統合の理由は、(1)両者とも同一年齢層の青年を対象としている。(2)教育の目的・内容が共通している。(3)実業補習学校後期終了後、高等科、研究科に入学する者が多く、また、実業補習学校在学中青年訓練所に入所する者が多い。(4)教員、設備の点で重複、制度の複雑化、地方財政負担過重になっている。(5)国家思想の重視などである。
 青年学校の目的について「青年学校令」第1条は、
 
 青年学校ハ男女青年ニ対シ其ノ心身ヲ鍛練シ徳性ヲ涵養スルト共ニ職業及実際生活ニ須要ナル知識技能ヲ授ケ以テ国民タルノ資質ヲ向上セシムルヲ目的トス
 
と規定した。そして、その科目の中で修身及公民科を必修とし、公民教育の徹底をはかる。
 青年学校の各科と修業年数は次のようである。
 
 普通科 尋常小学校卒業生 二年
 本科  普通科卒業生 高等小学校卒業生 男子五年 女子三年
 研究科 本科卒業生 一年以上
 専修科 修業期間を定めないことになっている。
 
 東京市芝区愛宕青年学校の学則によると(昭和10年10月1日実施)、
 
 第四条 各科ノ教授及訓練期間左ノ如シ
    普通科 二年 本科 四年 研究科 二年 専修科 三月~一年
 第五条 教授及訓練科目課程並ニ時数左ノ如シ(一部省略) [図2]参照。
   (普通科) 一週六日 一日三時間 年四十週
   (本科)  一週二回 一日三時間 年四十週
   (研究科) 一週二日 一日三時間 年四十週(科目、課程、時数省略)
   (専修科) 一週三日 一日三時間 年四十週(科目、課程、時数省略)
 (東京都公文書館資料より)
 
 女子には、教練科の代りに体操科を課し、別に家事及裁縫科が課せられ、本科では、1年から3年まで、職業科と併せて160時数としている。
 女子の訓練科目の中でも、「修身及公民科」は必修で、忠君愛国の精神をもとにした公民教育が推進されていった。また、男子に対する教練科は最大の比重で課せられ、壮丁(そうてい)検査前の青少年に対して、精神的にも身体的にも徹底した訓練を行った。

[図2] 青年学校の科目と課程
(東京都公文書館所蔵資料より作成)