次に昭和12年3月に設置された私立池貝青年学校の様子を東京都公文書館に保存されている資料の中よりみる[図5]。
学則はほぼ共通であったのでここに私立池貝青年学校の例をあげておく。
[図5] 私立池貝青年学校にまつわる資料(東京都公文書館所蔵)
私立池貝青年学校学則
第一章 総則
第一条 本校ハ青年学校令ニ依リ(男子)青年ニ対シ其ノ心身ヲ鍛練シ徳性ヲ涵養スルト共ニ職業及実際生活ニ須要ナル知識技能ヲ授ケ以テ国民タルノ資質向上セシムルヲ目的トス
第二条 本校ハ私立池貝青年学校ト称シ東京府東京市芝区本芝四丁目十五番地ニ置ク
第二章 科竝ニ教授及訓練期間
第三条 本校ニ本科、研究科ヲ置ク
第四条 各科ノ教授及訓練期間左ノ如シ
本 科 男子四年
研究科 男子二年
港区地域(旧芝・麻布・赤坂)の企業内に設置された私立青年学校は次のようである[図6]。
[図6] 青年学校の時数(東京都公文書館所蔵)
(学校名) (所在地) (生徒数) (開設・申請)
1 林青年学校(林鉄工場) 芝区新堀町31 男 24名 昭和10年6月
2 誠和女子青年学校分教場 芝区田町9ノ11 女 昭和10年10月
3 同右(電話局) 赤坂区青山北町 女 昭和10年10月
4 小林和服裁縫女学校 麻布区飯倉6ノ4 女 21名 昭和12年5月
5 池貝青年学校 芝区本芝4ノ15 215名 昭和12年4月
6 安立電気青年学校 麻布区富士見町6 530名 昭和14年4月
7 理研自動車青年学校 芝区高浜町6 53名 昭和14年5月
8 川口電機青年学校 芝区海岸通3ノ1 240名 昭和14年6月
9 麻布十番商店街青年学校 麻布区宮下町6 150名 昭和14年11月
10 芝浦機械青年学校 芝区芝浦3ノ1 昭和14年5月
11 大塚工場青年学校 芝区三田豊岡町66 150名 昭和16年4月
12 東光電気芝浦青年学校 芝区西芝浦4ノ1 146名 昭和16年4月
13 日本電気三田青年学校 芝区三田 昭和15年6月
14 安藤青年学校 芝区田町4ノ1 53名 昭和16年6月
15 萱場工業青年学校 芝区芝浦1ノ1ノ1 昭和15年6月
16 沖電気青年学校 芝区西芝浦3ノ1 1450名 昭和16年4月
17 日本高周波青年学校 芝区白金三光町360 男 65名 昭和16年4月
18 田中精機青年学校 芝区三田豊岡町13 男 101名 昭和16年4月
19 日本光学青年学校分教場 芝区三田豊岡町13 男 83名 昭和17年4月
20 東京電気機器青年学校 麻布区田島町38 男 83名 昭和18年4月
21 日本海運報国団東京船員青年学校 芝区海岸通3 男 260名 昭和18年4月
22 陸軍需品本廠青年学校 赤坂区青山南町1ノ39 男 60名 昭和18年4月
23 深沢鉄工所青年学校 芝区海岸通4ノ4 昭和14年4月
24 友野青年学校 芝区西芝浦4ノ2 昭和14年7月
25 東京日産自動車青年学校 芝区浜松町3ノ5 昭和15年4月
26 能登歯車製作所青年学校 麻布区新広尾町3ノ91 昭和16年4月
青年学校令施行規則第32条第2号による課程の認定を受けた学校もあった。
1 大倉高等商業学校 赤坂区葵町3 昭和16年7月
2 正則第二中学校 芝区芝公園2号ノ2 昭和16年10月
関連資料:【くらしと教育編】第11章第2節(2) 開校当時の状況