教職員の厚生

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 昭和6年5月より、社団法人東京府教職員互助会が発足している。会員及び其の家族のために病院の設立維持や死亡の弔慰、傷病災厄の慰藉等について事業を行い、教職員互助の実を挙げることを目的としてつくられたものである。
 その年の5月27日付の会員及評議員数調(白金小学校所蔵資料)によると、[図3]のようである。
 昭和16年1月6日公布の「教職員共済組合令」に基づいて教職員共済組合が成立した。「市町村立小学校、青年学校又ハ幼稚園ノ職員ノ相互救済ヲ目的トスル組合」である。給付は、療養費、廃疾給与金、分娩費の3種とされた。
 東京市小学校教員会芝区支部、赤坂区支部等も結成され活躍をしていた様子がわかる。いずれも、毎月一定の会費を徴集し、教育に関する視察研究、講演会、遠足及び運動会開催などの事業を行っていた。
 赤坂支部の教員会の「宣誓」は時代を反映したものである。

[図3] 東京府教職員互助会会員及評議員数調・昭和6年5月27日付(白金小学校所蔵資料)

       宣誓
  天皇陛下畏クモ四月三月全國小學校ノ教員代表者三萬六千人ヲ 御親閲アラセラレ親シク優渥(アク)ナル 勅語ヲ賜フ
  臣等幸ニ生ヲ昭代ニ禀(ウ)ケ此ノ盛儀ニ會(ア)ヒ 聖旨ヲ拜シテ感激措(オ)ク所ヲ知ラス恭ミテ以フニ 天皇陛下夙ニ教育ノ事ニ軫念(シンネン)アラセラレ曩(サキ)ニ勅語ヲ下シテ教育ニ従事スル者ノ嚮フ所ヲ諭サセ給フ茲(ココ)ニ重ネテ小學教育ノ重ンスヘキ所以ヲ昭示シ給フ 聖旨深遠洵(マコト)ニ恐懼(キョウク)ノ至リニ勝(タ)ヘス
  由来赤坂区ハ明治神宮ノ聖域ニ接シテ神靈ノ加護ヲ亭クルコト窮(キワマ)リナク又日夕皇宮ヲ拜シテ天恩至寵(チョウ)ヲ擔(ニナ)フコト切ナリ 今又新ニ 勅語ヲ拜シテ本區教育ニ従フ者ノ職責愈々(イヨイヨ)重キヲ加フ
  自今益々 聖旨ヲ奉體(タイ)シ夙夜淬礪(シュクヨサイレイ)愈々國民道徳ヲ振作シテ教育ノ徹底ヲ圖(ハカ)リ健全ナル國民ヲ養成シテ國運ノ進展ニ寄與シ以テ皇恩ノ萬一ニ報ヒ奉ランコトヲ誓フ
  昭和九年五月四日
                             東京市小學教員會赤坂支部