現職教育

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 新しい教育は、それまでの戦時教育の軍国主義的色彩を払拭(ふっしょく)し民主教育の浸透を図ることからはじめられた。軍国主義の払拭には連合軍の指令に基づき、さまざまな処置がとられたが、民主教育の浸透は、まず現職の教職員の再教育から始められた[注釈11]。
 昭和20年10月15・16日、全国の教員養成諸学校長、地方視学官を集めて「新教育方針中央講習会」を文部省が開催した。
 昭和20年11月から21年2月にかけて都内各学校長、教頭及び中堅教員を対象に、「新教育に関する地方講習会」が開催され、新教育の理念と方法の徹底が図られた。さらに、一般教職員を対象とした再教育講習会が開催され、その内容も、単に新教育の内容にとどまらず、一般的課程、専門的課程、教職的課程にまでひろがりを見せ、東京都では昭和24年度まで続けられ、同年度をもって一応の成果を得て打切った[注釈12]。参考までに最終年度の講習の記録を記してみる。
 
 ①一般課程(基礎理論)、教職課程(教育心理学)、昭和二四年五月九日から七月九日までの間に、小・中・高等学校及び幼稚園教員一六万九九九名の講習が修了した。各人の受講時数はそれぞれ四二時間。
 ②専門課程(教科指導課程)昭和二四年八月三一日より一一月三〇日までの間に、
 小学校及幼稚園教員  一〇〇六三名 中学校教員  三二四三名
 高等学校教員     一五三四名       計一四八四〇名
 の講習が終了した。各人の受講時数は小学校、中等学校はそれぞれ二四時間、高等学校教員それぞれ二八時間 (『東京都教育概要』24年版)
 
 昭和24年9月1日、「教育職員免許法」の施行により免許法認定講習会が開かれ、所定の単位を修得し、新免許状に切りかえられた。
 
関連資料:【文書】小学校教育 民主主義教育研究方針
関連資料:【文書】教職員 外地引揚げ教職員の採用
関連資料:【文書】教職員 教員の再教育講習