学校図書館の整備

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 学校図書館は戦前の小学校にも存在していたが、戦後の小学校では、自主性を育成する指導法が重視され、指導の多様化、学習方法の拡大に努力がはらわれた。児童の自主学習活動を援助するために、教科書以外の書籍の必要性が認識され、各学校で学校図書館の整備充実に関心がはらわれるようになり、戦後の荒廃から立ち直るにつれて学校図書館の充実へと進んでいった。これには各校のPTAも協力をおしまなかった。
 昭和29年(1954)「学校図書館法」が施行され、学校には学校図書館を設けなければならない(第3条)。学校図書館の設備又は図書が政令で定める基準に達していない場合において、これを当該基準にまで高めようとするときは、経費の2分の1を負担する(13条)とされ、学校図書館は、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備に位置づけられた。
 当時の港区内各小学校の学校図書館蔵書数は[図9]のようである[注釈5]。

[図9] 各小学校の学校図書館蔵書数