各校における教育研究活動

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 「新教育」の発足にともない文部省・都などでは、教員の資質向上の為の対策をたてた。教員再教育講習、免許法認定講習等が昭和21年より実施されてきたが、それと同時に研究協議会、研究集会等も開催している[注釈11]。
 また、都は新教育理念の徹底を図るため学校経営の全般を実験的に研究させ、その結果を全都的に示すために昭和21年以来実験学校を設けた[注釈12]。
 また、これと並んで教科研究校も設けられた。昭和22、23年度の氷川小学校(図書館教育)、同24年度桜田小学校(社会科)がこれにあたっている。このころになると、各小学校での研究は活発になり、自主的な発表会が開かれるようになってきた。港区教育委員会内に昭和32年4月より指導室が設置され、その指導のもとに区内各校の研究がより一層まとまりのあるものとなっていったのである。昭和33~35年ころの『指導室だより』をみると「指定学校の歩み」の項に次のように記載されている。
 
 三三年度 青南小学校(道徳) 港区研究指定校
      「本校における道徳教育の計画と指導」 三四、二、六発表
 三四年度 赤坂小学校(道徳) 港区研究指定校
      「生きた道徳教育」「道徳の時間」の研究を進めた
      神応小学校(学校行事等) 港区研究指定校
      「学校行事等」とは「学校における集団指導である」
      南海小学校(科学教育) 港区研究指定校
      「物象教材の扱い方」 一二月中間発表
      氷川小学校(社会科における道徳との関連) 東京都研究協力校
      「指導内容の系統性、社会科指導と道徳指導を中心として」 三五、二、五 全校授業公開発表
      東町小学校(特別教育活動) 港区研究指定校
高輪台小学校(読書指導) 文部省実験学校研究課題
      「中学年の読書興味と領域の指導」について
      檜町小学校(給食) 東京都研究協力校
      「新指導要領と学校給食との関連について」
 三五年度 麻布小学校(道徳) 港区教育委員会
      「道徳性の内面化をはかるための指導はどうしたらよいか」
      三光小学校
      「学級経営における小集団指導の問題点」
      神明小学校(過去二ケ年の研究を土台として)
      「学級会活動を中心として、どう集団意識を育てるか」
      南桜小学校
      「学級会の話題を定着させる一方法」 二年継続
      芝浦小学校
      「学校行事の運営」 三年ごしの指定校の取り組み
 
 以上のような研究成果がいずれも「指導室だより」にまとめて発表されている。
 昭和38年度、教育委員会指導室は昭和32年4月発足以来の学校教育に関する研究業績を確認するとともに、指導室文庫のなかに「学校教育研究業績」の資料を整理した。[図25]は、その目録を教科・領域に分類した研究物件数である(小学校のみ)。
 [図26]は昭和34年度区内小学校の研究テーマ一覧表である。

[図25] 教育研究活動の研究物件数(『指導要覧』昭和38年度より集計)


[図26] 昭和34年度区内小学校、研究テーマ一覧表

関連資料:【文書】小学校教育 芝小学校の学級経営
関連資料:【文書】教職員 <参考>港区立幼・小・中学校(園)研究一覧表
関連資料:【学校教育関連施設】