学習指導要領の発刊[図8]

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 新しく発足した学校制度の教育内容は、「学校教育法」、昭和22年(1947)5月に公布された「学校教育法施行規則」に規定され、これにもとづいて、教科課程、教育内容及びその取扱いの基準となる『学習指導要領一般編(試案)』が昭和22年3月文部省より発行され、その後、各教科ごとの学習指導要領が作成され、以後、中学校の学校運営、教科指導は学習指導要領を基準として進められていくことになった[注釈8]。
 学習指導要領で示された中学校教育内容の特色は、社会科、職業(家庭科)、自由研究という新教科の誕生、これを必修教科と選択教科に分けたことである。すべての生徒に共通の理解が必要と認められる教科を必修とし、そのほかに、なるべく多くの教科を、生徒個々の素質、興味、関心に応じて学習する教科を選択とした。
 社会科は、社会人としての好ましい徳性と教養と訓練を期待したものであり、民主主義社会の育成と発展のために、その役割に大きな期待がよせられ、戦後教育の柱として登場した。当時、桜田小学校では社会科を中心にしたコア・カリキュラムの研究なども行われ、新時代の脚光を浴びた発表が行われたが現場では定着せず、小・中学校ともその取扱いにますます研究を要するのが実情であった。また、国史を社会科より独立させていることが注目される。
 職業科が必修教科として設けられたが、従来の実業科のようにある特定の技術訓練を目的としたものでなく、社会的要求と生徒の必要に応じ、普通教育として職業に関する基礎的陶冶(とうや)をねらったものである。

[図8] 新制中学校の教科と時間数(昭和22年指導要領)
1年間を35週とした場合の毎週平均時間数を示す。

 職業科は、農業、商業、工業、水産、家庭の5科目に分けられており、学校の設備や生徒の希望を考えて定め、必修で定めた以外の教科として選択できるようにした。
 自由研究は、教科の発展として行う活動で、学年の区別をはずして同好のものが集まり、教師の指導はもちろんのこと、上級生の指導も受けて、いっしょになって、集団学習を進めるもので、クラブ組織の活動であった。そして教科外活動として、主体的に課題を持って追求する能力を育成することを目的としていた。
 
関連資料:【文書】小学校教育 主食しらべ(自由研究)
関連資料:【文書】小学校教育 カエルの研究(自由研究)