新学制では、小・中・高等学校の教育は学習指導要領を基準として行われることになり、したがって新しい教科書もこれに基づいて編集された。
文部省は、まず昭和22年(1947)4月から使用する教科書を編集発行していったが、新学制においては教科書は国定制度を廃止して検定制度によることにした。したがって昭和22年4月の新学期に間に合うように編集発行された教科書は、検定教科書が発行されるまでの暫定的な教科書といえよう。
新しい検定制度は、昭和22年9月教科書制度改善協議会教科書制度改善案答申、同年12月教科用図書委員会、昭和23年4月「教科用図書検定規則」制定と整備されていき、昭和23年8月「教科書展示会」が全国で開かれ、教科書の採択が実施された。文部省著作教科書も教科書展示会に展示されたのであるが、採択部数の少ない文部省著作教科書から発行を逐次停止していき、やがて全廃され、教科書はすべて検定教科書のみとなった。