中学校の教育課程は昭和22年(1947)「学習指導要領(試案)」の発行、昭和26年の改訂、昭和33年の改訂によって、変化してきたことは前に述べたとおりである。教育内容はその都度、改められていくが、昭和33年の改訂は大きな変化があった。その当時の状況・区内の動きを知るために、昭和34年度区内各中学校の研究主題をあげてみよう(教科と道徳にとどめる)。
(学校名) (研究主題)
北芝 基礎学力の充実 道徳教育の計画と研究実施
愛宕 教科学習で基礎学力の充実
芝浜 道徳教育の徹底をいかにするか、科学教育の振興と生活指導との関連性
港 道徳教育計画の整備充実 新指導要領実施までの移行措置の研究計画
高松 基礎学力の充実 教科指導の関連性
朝日 教育課程を検討し、指導内容の充実
城南 知能指数と学習指導等との関連
高陵 学習環境の整備 科学教育の充実 新学習指導要領の研究
赤坂 基礎学力向上の学習指導法
青山 道徳教育の実践的カリキュラム作成 教育課程移行措置への資料の収集整備
昭和34年は、学習指導要領が告示された次の年であり、移行措置のはじまる前の年でもある。この節目にあたる年に新設された道徳の研究のほか、移行措置の研究と共に基礎学力の向上という研究主題が多くの学校でとりあげられている。
さらに新学習指導要領が実施された昭和37年以降42年までをみると次のように広がりをみせている。
(学校名) (研究主題)
北芝 教育課程の改訂(38・39年)
愛宕 道徳教育における資料の収集と活用(37年)(区研究指定) 学力差に応じた学習指導法(38年)
芝浜 効率の高い学習指導のあり方(38年)
港 科学技術教育の推進(37年)
高松 道徳年間指導計画の検討(37年) 道徳教育における副読本の利用(38年) (区研究指定) 「道徳のしおり」の作成(39年) 基礎学力の養成(41年)
港南 教育課程の編成(38年) 個人差に応じた指導の研究(41・42年)
朝日 基礎学力の充実(37年) 道徳、学級活動の指導を効果的にするための視聴覚教材の活用(41・42・43年)
城南 学習意欲を高める学年学級経営(42年)
高陵 教科指導計画の作成(37年) 学習指導と教育相談(41年)
三河台 本校教育課程の研究(40年)
赤坂 教育課程の合理的管理、学習指導法の研究(37・38年)(区研究指定校) 道徳教育資料の生かしかた(39年)
青山 生徒の自律学習(37年) 教育課程の研究(39年) 環境を生かした理科の指導(40・41年)
中学校における指導の重点は教科指導計画の作成と指導法がその主たるものであった。
関連資料:【文書】中学校教育 高松中学校道徳の指導