生活指導

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 昭和22年のコースオブスタディでは、学校における生活指導(文部省や他県では「生徒指導」と呼んでいる。)などの中心を「自由研究」におき、個人指導に重点がおかれた。昭和26年の指導要領改訂によって「自由研究」は廃止され、生活指導は「特別教育活動」で集団の指導が主になってきた。集団指導が進められていくなかで、生活指導は単に領域内の指導にとどまらず、生活全体にわたる指導としてとらえられるようになった。
 昭和33年に教育課程の領域に道徳が入るに及び、生活指導との関係が論議されるようになった。このため、昭和39年以降、文部省は生徒指導という用語に統一したが生活指導の用語は一般に使用している。
 昭和35年度の生活指導の重点をあげると次のようになる。
 
 (学校名)  (生活指導の重点)
 北芝  豊かな情操  自主自律の態度
 愛宕  教科学習  特別教育活動  社会生活にともなう生活指導
 芝浜  道徳指導  協同の精神  自律的生活態度
 港   内省的生活態度を養う  健康の保持増進  問題児の指導
 高松  学級づくり  人間の生き方生活のあり方の実践
 朝日  道徳教育  善良な校風の育成  清掃美化
 城南  他人に迷惑をかけない  落着きのある学習態度
 高陵  集団生活の規律指導  個別指導  安全教育の徹底
 三河台 上品な校風の樹立  学校内外の整美  小規模校の劣等感の排除
 赤坂  自治活動の助長  学校行事の計画、運営  生徒の個性の把握
 青山  道徳教育の徹底  集団訓練の指導  特活の活発化
 
 全体としてみると、集団を指導する考え方がうかがえる。
 昭和37年より42年まで区内中学校の研究主題のなかから、生活指導に関わる研究をあげてみると、
 
 (学校名)   (研究主題)
 北芝  問題生徒の早期発見と指導 (37・38年)(区研究指定)
     生徒理解を深める学級経営のあり方 (40年)
 愛宕  生徒理解のすすめ方 (39・40年)
     学校と家庭の連携のあり方 (41・42年)
 芝浜  校内における教育相談の充実 (37年)
 港   根性を養う生活指導 (39年)(区研究指定)
 高松  教育相談の充実 (40・41年)
 港南  望ましい習慣形成の指導 (40年)
 朝日  校外生活指導の充実 (39年)
 城南  教育相談の方法 (38・39年)
     教育相談による学業不振児の治療法 (41年)
 高陵  生活指導上の問題点とその改善について (38年)
     生徒の行動の実態に即した生活指導 (39年)
     学級経営における生徒理解のすすめ方 (40年)
     学習指導と教育相談
 三河台 生きがいを感じさせる学級経営―教育相談的手法の活用―(41・42年)(区研究指定)
 赤坂  学級における生活指導40年、生活指導における学校と家庭の協力 (41年)
     積極的な意欲協力の態度を養う指導技術 (42年)
 青山  学級経営と問題生徒の指導 (38年)
 
 このように、問題をもっている個人を対象にする教育相談によって解決をはかろうとする傾向がみられるようになった。
 
関連資料:【文書】中学校教育 愛宕中学校特別教育活動と5日制