生徒会[図16]

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 昭和24年文部省は「新しい中学校の手引」を発行し、生徒の自治活動を高く評価し、生徒会の結成に大きな影響を与えた[注釈14]。
 昭和26年の学習指導要領では、自治活動が明確に位置づけられ、中学校では生徒会と呼ばれるようになり、民主的組織のもとに学校の経営や活動に協力参加するものであり、創意工夫された活動によって民主主義の原理を理解させるものであるとされた。その後、昭和33年の指導要領改訂では、学校内の生活改善や仕事の分担処理についての自治的、自立的な取り組みが強調された。
 区内中学校生徒会指導を朝日中学校の例でみよう。同中学校では自治活動充実のため、昭和23年から47年にかけて、生徒会を市会にみたて、「朝日市政」を展開させた。
 
  市会は一般の自治制にならい、名称もそのまま市会と名づけて、市の下には区があるように、各学級を区と称し、区には区長、助役をおいた。
  学校全体の総選挙により、市長・副市長を、各区から市会議員を選出して市会を構成し、各議員は、一学期ごとに改選することにした。指導の全責任は校長にあるが、他の先生は、顧問という立場で見守った。 (『朝日中学校三十周年記念誌』)
 
 しかし、多くの学校では、生徒総会、代表者会、学級自治会、クラブ、委員会によって組織されているのが一般の型であった。
 学校だけでなく、校外での活動を組織した学校もある。港中学校(昭和40年)の例をあげてみよう。
 
地域別生徒会
 方針   学校教育の一環として積極的指導助言を行う。
      活動は生徒の自主性を高め、PTA校外指導部の協力による。
 内容   生徒及びPTA各地区毎に担当職員・PTA代表・正副地区長・班長を置く。
 主なる業務
  (1) 道徳的活動 清掃美化運動(朝掃除、ハエ取り) 社会事業団体の訪問 警察 交番 消防等の訪問
  (2) 集会活動  レコードコンサート 各種子供会(納涼・映画・幻灯) 読書会・学習会・座談会(父兄の体験談など)
  (3) 行事活動 スポーツ行事(野球、バレー、水泳、ラジオ体操) 日帰遠足、キヤンプ、サイクリング、ワンダーホーゲル但し計画指導経費等につき細密に考える
  (4) 採集調査等の個人活動のまとめ、助言
 (附) 地区ぐるみ活動・PTA補助金・連絡網、町会との関係、他団体協力昨年度に行われた行事活動の例
  レコードコンサート、水泳大会、ラジオ体操の会、相撲大会、写生会、観劇及び映画の会、ハイキング、キヤンプ、親子懇談会、台場めぐり、座談会(生徒父母、教師)、東京港めぐり、野球大会、緑蔭こども
会、納涼大会、学習会、作品展示会、見学の会、其の他

[図16] 生徒会役員選挙風景(『高陵中学校25周年記念誌』)

関連資料:【文書】中学校教育 北芝中学校生徒会組織
関連資料:【くらしと教育編】第11章第2節(2) 中学校の教育実践
関連資料:【くらしと教育編】第12章第3節 (1)円滑な生徒会運営を目指して