進路指導と進路対策

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 進路指導については、昭和36年、城南中学校が「学級活動における進路指導の研究」(区指定校)を行っている。
 
  中学校の進路対策は、進学対策と就職対策に大別される。各中学校でそれぞれに組織をつくり、努力をしてきたところであるが、本区の進路対策で特筆すべきは、進路相談所を昭和二六年九月より愛宕中学校に開設したことである。この相談所の経営は日本職業指導協会で、所長には愛宕中学校長、顧問、参与として、区長、区内高校・中学校長、大学教授等があたっている。
  検査は職業興味調査、知能検査、身体的適応性検査、職業適性検査が行われ、これらの検査の結果を参考にして、職業適性や進学適性を発見しようとするものである。
  申込みは毎日愛宕中学校で受付け、相談日は毎週土曜日の午後一時から四時まで、対象は主として中学校及び高等学校生徒並びに同年齢のもので、費用は無料となっている。 (『港区政ニュース』NO.78)
 
 各校の卒業生は、初期のころは高校進学率70パーセントで約30パーセントの就職希望者がいた。そのために各校とも職業安定所と密接な連絡をとり、就職運動を展開した。しかし、昭和30年代後半より高等学校進学希望者が急増し、高校入試制度が大きな社会問題にまでなったことは前に述べたとおりである。各校とも進路対策は、進学対策の色彩を濃くしていくことになった。
 
関連資料:【文書】中学校教育 城南中学校進路指導